
祝もものき事務所 (C・NOVELSファンタジア)
【あらすじ】
やる気なし、気力なし、根性なしの百之喜太郎(もものき たろう)が所長を務める事務所。
そこに「動機あり、凶器あり、目撃情報ありのどう考えても有罪の被告を無罪にして欲しい」との依頼がやって来た。
この無理難題に所長になり替わり犬・猿・雉・鬼の仲間たちが奔走する。
さてさてこの現代版桃太郎(!?)のお話、どうなることやら。
【感想】
面白い名前の登場人物だなぁ、と思って読んでみたら蓋を開けてびっくり。
よくよく見たら、桃太郎の登場人物たちの名前をもじっているではありませんか。
雉名、鬼光、犬槇、芳猿・・・ね、桃太郎でしょ。
でも主人公はまさに無気力。
こんなので事件が解決できるのか、と思ってたらあらびっくり。
仲間たちの見事なまでの連携に支えられて物語は進んで行くのです。
でも、やっぱり主人公は主人公。
面白い働きをしてくれます。それで良いのか、百之喜さん。そこに行き着くのか、百之喜さん。いやぁ、面白い。
ミステリーと言えばミステリーのような、そうでないような。
倒すのは鬼ではなく、人間の中に住まう怖い鬼みたいな闇みたいな。
読んでいて、変な汗をかくような場面もあって。人間って怖いなぁって思いました。
これで終わりかと思ったら、最後にまた新たなる登場人物が出現。
これは次巻に繋がるのか、そうでないのか、また読んでみないと分からないけれど、読んでみたいなぁと思います。
【発行日】2010.11.25.
【発行所】中央公論新社
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