
火花
【満足度】★★★★★
【あらすじ】
若手漫才師の徳永は花火大会の会場で漫才を披露していた。
その会場で、彼は先輩漫才師の神谷と出会う。
彼と話したことにより、彼の魅力に惹かれて徳永は神谷と師弟関係を結ぶ。
そんな徳永と神谷の生き様を描いていく。
第153回芥川龍之介賞受賞作。
【感想】
話題の作品を遂に読むことが出来ました。
まさに花火が撒き散らす火花のような、そんな作品でした。
テンポの良い文章に、若手漫才師たちの苦労、神谷の破天荒な性格と、神谷についていく徳永の心境の変化。
花火が上がって一瞬の輝きの後に、火花となって散っていくように、彼らの漫才師としての人生はそれはそれは熱くも儚い夢のようでした。
文章に引き込まれ、徳永と共に神谷の一挙手一投足に悩まされたり、一種の憧れのようなものを抱いたり、最後は何とも言えない切ない気持ちになったり。
一気に読むことが出来ました。
人生は本当に波乱に満ちているんですよね。
自分は彼等ほど熱くて濃くは生きれていないかもしれません。
それでも、自分の人生は自分にとっては波乱万丈で、自分は足りないところがいっぱいあっても今を精一杯生きています。
今の苦しみもいつかは必要なことだったと、そう思えるように。
これからも、自分なりに生きていきたいな、と背中を押された感じです。
【発行日】2015.3.15.
【発行所】株式会社 文藝春秋
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