スクラップ・アンド・ビルド【満足度】★★★★★
【あらすじ】
２８歳の健斗は数か月前に退職し、現在就職活動中だ。
３年前から同居している祖父は「じいちゃんなんか、早う死んだらよか」が口癖だ。
そんな祖父の願いを叶えようと色々と試してみる健斗だったが、そんな中で自分自身も少しずつ変わってくる。
若者と老人と介護を軸に読者に問いかけてくる一冊。
第１５３回芥川龍之介賞受賞作。
【感想】
この作品もようやく読むことが出来ました。
最初は中々入っていけなくて、健斗や健斗の母の祖父への接し方や、祖父自身の態度などに胸が苦しくなりました。
次第に健斗が変わって行く様子を見て、それを通じて自宅で介護することとはどういうことかなどを強く感じるようになって、傍から見たら同じ行動でもそれを行っている個々の考え方が真逆だったりするんだなと改めて思いました。
自分の将来の姿かもしれない人と共に暮らした時に、自分ならどう過ごしたかな。健斗のように前向きになれたかな。
何がその人の為にとって良いかなんてわからないけれど、相手のことを想って行動するって凄いなと思います。
最初は中々読み進めるのが苦しかったのですが、後半に向かってぐいぐい引き込まれて行きました。
まさに題名の通り「スクラップ・アンド・ビルド」だなぁ、と思いました。
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