サラバ! 下
2014.11.3. / 株式会社小学館
歩の成長と共に、社会にも色々な変化が訪れる。
圷家の面々がそれぞれの道を歩き出した。
抗いたくても抗えない大きな流れの中で、自分なりの選択をしてきた彼らの行き着いた先は・・・
第152回直木賞受賞&2015年本屋大賞第2位受賞。
これは、上巻よりも更に勢いを増してきた感じ。
人生思うようには行かないんだとまざまざと見せつけられる。
良いこともあれば悪いこともある。
抗いたくても抗えない事柄も襲ってくる。
そんな中、どんな選択をするか。
歩の人生に沿いながら、その所々で彼の目線を通して社会に起こったことを垣間見た気がした。
自分の記憶にも重なる部分がある。
自分はどんな選択をしてきただろうか。
自分ならどんな選択をするだろうか。
最後に待ち受けていたのは、彼らが辿ってきた道筋の中に見えた光だった。
ラストに向かって読みながら鳥肌が立った。
自分の人生の中にある大事なもの・・・それを大事にしていきたいと改めて思った一冊だった。
あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。
芯を持ちなさい
過去の僕と、今の僕は、はっきりと繋がっていた。
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2016.06.24(Fri) | 【な行】:西 加奈子 | cm(0) | tb(0) | ▲
サラバ! 上
2014.11.3. / 株式会社小学館
僕、圷歩はイランで生を受けた。
優しい父親、自由奔放な母親、一風変わった姉と共に過ごす僕の人生。
イラン、大阪、エジプト・・・そして再び大阪と引っ越しを繰り返す度に変わって行く彼と彼の周りの人たちを描く。
第152回直木賞受賞&2015年本屋大賞第2位受賞。
何というか、「凄いな」のひと言に尽きる。
登場人物たちのキャラが濃い。本当に凄く、濃い。
歩もその徹底した受け身態勢は凄いのだけれど、母の奈緒子と姉の貴子が凄すぎる。
イランやエジプトと言った海外での暮らしもその実情を事細かに伝えていて凄いのだけれど、その中での家族の有り様もこれまた凄い。
上巻では、歩がこの世に生まれ落ちた瞬間から高校生までを描いているのだが、本当に何というか・・・濃い。
私にとっては、エジプトでの友人ヤコブとの話がキラキラと入ってきて一番好きかな。
歩はまだまだ高校生。
下巻では、これからの彼の人生が描かれていくので、それも楽しみにしたい。
僕はそのとき、生まれて初めて、自分以外の人のことで祈りをささげた。
今俺がおる世界以外にも、世界があるって思える。
自分のしたいこととか思いに、嘘つかずにおるのって、難しいやろ。
2016.06.24(Fri) | 【な行】:西 加奈子 | cm(0) | tb(0) | ▲