シャーウッド (下)
2016.11.10. / 株式会社新書館
リチャード王帰還の知らせを受けて、ジョン王子とリチャード王の軍勢がノッティンガムに集結する。
益々困窮する民衆は、ロビン・フッドへ助けを求める。
シャーウッドの森に住むトマスたちはそれぞれが抱えてきたものを胸に、この危機に際してどのように動くのか。
情勢が一気に悪化し、人々は益々困窮していきます。
五月祭りでマッチが見つけた騎士、サー・ガイ・オブ・ギズボンがシャウッドの森にやってきたのもビックリです。
そこでの出来事は、なんというか予想外過ぎて、これまたビックリでした。
そして遂に、1194年4月3日にリチャード王がイングランドの地に帰還。
シャーウッドの森に住む彼らも立ち上がります。
それぞれの抱えたものを胸に、それぞれの未来へ向かって。
佐々木久美子さんのイラストレーションも素敵で、物語に彩が加えられて本当に楽しかったです。
彼らが生き生きと描かれていて、彼らと共にノッティンガムに居るようでした。
シャーウッドの森に住む彼らの物語は、これにて完結です。
とても素敵な物語に会えて、幸せでした。
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シャーウッド (上)
2016.11.10. / 株式会社新書館
12世紀のイングランド。
悪政がはびこり戦禍が広がる中、困窮した人々はシャーウッドの森に住む男――ロビン・フッドに希望の光を見出していた。
これは、ロビン・フッドのもうひとつの物語。
ロビン・フッド。
有名な彼の名前は知っていても、何を為したかは知りませんでした。
そして、その時代背景も。
この物語は、シャーウッドの森に住む無法者たちの物語です。
トマスという少年が、シャーウッドの森に迷い込むところから物語が始まります。
そして、彼らと出会うのです。
リトル・ジョン、ニコラス、レイフ、ウィル、アラン、マッチ…
沢山の登場人物たちがとても生き生きと描写されています。
また、彼らを通して当時のイングランドの情勢を知ることが出来ます。
ロビン・フッドは、そんな荒んだ時代で苦しむ民衆たちの希望の光だったのですよね。
章ごとに主人公となる登場人物が変わるのも魅力的でした。
人のあたたかさというものを感じてジーンとくる場面もあれば、無法者だからこその追われる立場にハラハラさせられる場面もありました。
彼らがどうなっていくのか、イングランドの情勢がどう変わって行くかは、下巻を読んでのお楽しみです。