三毛猫ホームズと愛の花束
平成4年3月25日 / 株式会社角川書店
結婚相談所に一通の脅迫状が届いた。
その後見つかった射殺死体の上には花束が置いてあった。
捜査を始めた片山たちは、お見合いパーティーに参加する。(『三毛猫ホームズと愛の花束』)
表題作ほか、3編収録。シリーズ第15弾。
ようやくシリーズ第15弾を読めました。4編共に面白かったです。
『三毛猫ホームズの名騎手』では馬が登場します。オカルトじみているところが、また謎を深めていて怖くもありました。
馬の恨みか、幽霊の仕業か…謎が解けた時には、悲しい気持ちになりました。
『三毛猫ホームズの夜ふかし』は、ほろっとする場面がありました。健気な少女というのは、いつ見ても応援したくなりますよね。
『三毛猫ホームズの幽霊城主』は劇団が舞台です。人の想いというものは、恐ろしい出来事を起こすんですよね。怖いなぁ。
『三毛猫ホームズと愛の花束』は表題作で、結婚相談所から物語が始まります。いつの時代も恋愛ごとというのは、複雑で、ままならないものなのですよね。お見合いパーティでのやり取りはちょっとクスッと笑えます。
全編を通して、ホームズと義太郎の活躍を楽しませてもらいました。
短編集は色々なお話を読める楽しさもありますね。
人間が、結局、一番身勝手で、醜いのかもしれない。
ま、夜ふかしはやっぱり体に良くないのよ
人間の心の中だけは分からないからな
いや、人間、やり直すことはできるよ。何十年先でも。
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2017.06.28(Wed) | 【赤川次郎】:三毛猫ホームズ | cm(0) | tb(0) | ▲
三毛猫ホームズの<卒業>
1993.12. 光文社 / 1997.2.20. 光文社 / 2002.5.24. 角川書店
結婚式でまるで映画<卒業>のシーンのような出来事が起こった。
「やめろ!」と飛び込んで来た男が花嫁をさらっていったのだ。
そして、花嫁が殺されているのが見つかった。犯人はいったい誰なんだ!?
表題作ほか4編を収録。シリーズ第25弾。
結婚式で花嫁をかっさらっていくなんて、本当に映画のようでドキドキしました。
でもまさか、あのあとあんなことになるなんて。
愛には色んな形があるんだなぁ、と思いました。
誰もが幸せになって欲しいけれど、難しいですね。
色んな形の愛が詰まったこの一冊。
今回もホームズの助言で見事に解決されます。
でも、どれを読んでも物悲しい切なさが残ります。
愛って複雑。時には魔物にもなるし。うまい具合に付き合いたいものです。
2017.01.21(Sat) | 【赤川次郎】:三毛猫ホームズ | cm(0) | tb(0) | ▲
三毛猫ホームズの家出
1992.12. 光文社 / 1996.2. 光文社 / 2000.5. 角川書店
晴美と石津と共にバスに乗っていたホームズ。
ある停留所で降りる少女がホームズに「降りるわよ」と声をかける。
なんと、ホームズは少女について降りて行ってしまった。(『三毛猫ホームズの家出』)
他、3編収録。シリーズ第23弾。
久し振りに読みました。三毛猫ホームズシリーズ。
今回もホームズが大活躍。
4編ともに面白かったです。短編集なのでテンポよく読むことが出来ました。
でも最後の「催眠術」はちょっと怖かったかな・・・
少女たちが出てくると、また違った感じのミステリアスな雰囲気が醸し出されてドキドキします。
家族愛にも色々あるなぁ、と。
あと猫の不思議な魅力とか。
これを機にまた少しずつ三毛猫ホームズシリーズを読んでいきたいです。
2016.12.04(Sun) | 【赤川次郎】:三毛猫ホームズ | cm(0) | tb(0) | ▲
三毛猫ホームズの心中海岸
平成13年5月25日 / 株式会社角川書店
男女の心中死体が見つかった。
ところが、女性の身元が判明しない。
そんな中、次々と起こる事件。
そして、事件に関係していた大財閥の娘が片山に恋しているようだが・・・
シリーズ第24弾。
題名通りと言いますか、最後は何とも切なくてやるせない思いになりました。
読んで行く中で次々と起こる事件。
どう繋がって行くか分からない中、色んな寂しい人の心を垣間見て、何とも言えない気持ちになったり、人の優しさにジーンとしたり。
片山の恋の行方も気になったり。
石津の意外な一面が見えたり。
ああ、やるせない。本当にやるせないとしか言いようがないです。
恋愛って難しい。
君を連れて行って、危険な目に遭わせることになったら、逃げられるより悪いからね。
人は誰か信じられる人間、心から頼れる相手を持っていれば、決して自分を粗末にしないものです。
自分をもっと大切にしてくれるまで、代わりに大切にしたいと思っています。
2016.06.16(Thu) | 【赤川次郎】:三毛猫ホームズ | cm(0) | tb(0) | ▲
三毛猫ホームズの傾向と対策
1995.7.20. / 株式会社 光文社
片山家にK大を受験する温水さゆりがやって来た。
受験までの1か月の間に片山家にお世話になるのだ。
ところが、さゆりがやって来てからK大関係者が殺害されたりする事件が続発。
K大に何か秘密が隠されているのだろうか。
シリーズ第22弾。
さゆりが電車内で出会った水田智子という女の子。
その子が途中でいなくなるという事件もあります。
大学受験という大きな試練。親も子も必死になりますよね。
なんというか、大学の裏の顔というようなものが見えたり、大人社会と子ども社会の狭間で揺れ動く少年少女たちの心境の変化みたいなのも見えたり。
石津に大きな転機(!?)が訪れたり。今回も面白く一気に読んでしまいました。
自分の子供にどうやって、「公平」や「フェアな精神」を教えることができるだろうか。
女はいつも哀しいわ。ねえホームズ。
せつないけれど、ほんわかあったかい、そんな話でした。
そして、何歳になっても青春。恋愛は人を変えるっていうのが、良いなぁって思ったり。
ああ、青春って良いな。自分もまだまだ青春真っ只中な気分です。
気持ち若く、それに伴って体も元気でありたいものです。
2016.04.02(Sat) | 【赤川次郎】:三毛猫ホームズ | cm(0) | tb(0) | ▲