七番目の花嫁
平成4年5月25日 / 株式会社角川書店
大金持ちの中年紳士・前川の婚約者の佐千子が殺されかけた。
歳の差カップルの結婚を反対する人たちがいるのだ。
佐千子たちを守るため、亜由美たちはウェディングドレスの発表会場に潜入する。
ところが、そこで殺人事件が発生して…
シリーズ第5弾。
久し振りに花嫁シリーズを読みました。
相変わらずの亜由美の強さには、圧倒されます。
私が彼女の立場だったとしても、あんな風には行動出来ません。
彼女のような強さを少しでも持てていたら、私の人生も変わっていたのかな、と思います。
さて、今回は歳の差カップルの結婚話です。
反対するのは、佐千子を溺愛する父と、前川の前妻たち(!?)による「前妻連盟」です。
前妻が連名を組んでいるんだから、前川氏…侮れません。
ウェディングドレスのパーティー会場で殺人事件が起るのはなんとも縁起が悪くてやるせないのですが、亜由美たちの活躍っぷりをお楽しみください。
また、同時に収録されている『帰らざる花嫁』の方は、学生結婚が取り上げられています。
こちらは、悲しいというか胸に詰まるものがありました。
花嫁シリーズはどうしても、花嫁たちが事件に巻き込まれてしまうのでやるせなさが倍増するのですが、そこは亜由美とドン・ファンの名コンビの明るさで吹き飛ばしてくれるのが救いです。
また、折を見てシリーズの続刊を読んで行きたいです。
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逃げこんだ花嫁
平成2年10月1日 / 株式会社角川書店
亜由美の元に、13歳の花嫁が助けを求めてやって来た。
なんと、町の平和の為に55歳の大地主の男と結婚させられそうだと言うのだ。
そんな折、殺人事件が発生して、花嫁も失踪した。(『逃げこんだ花嫁』)
ほか、1編収録。
シリーズ第4弾。
亜由美の元に逃げこんで来た花嫁は、ある町の二大大地主の片方の娘だったのです。
ビックリ。
町の平和のためとは言え、13歳という若さで好きでもない55歳の男性と結婚させられるだなんてなんということでしょう。
彼女の気持ちを考えると、切ないというか、悔しいというか、もどかしくてもどかしくて。
次々に起こる殺人事件も、結末が分かればなんともやるせなかったです。
また、もう1編収録されている『花嫁学校の始業式』では、結婚生活の難しさや、恋愛の不思議…というか人生何がどうなるか分からないなぁ、という思いを抱かされました。
久し振りに読んだ花嫁シリーズですが、ドン・ファンは相変わらずドン・ファンだし、亜由美たちメインキャラのやり取りも楽しくて、内容はやるせないながらも元気をもらいました。
また少しずつ花嫁シリーズが読めたら良いなと思います。
紙細工の花嫁
平成5年6月25日 / 株式会社角川書店
<女の恨みの深さを忘れるな。死がお前を訪れるだろう>
亜由美の元に紙細工の花嫁が入った殺人予告の手紙が届いた。
ところが、それは間違って届いたもので本来届けられる人物を探すと、なんとその人物は結婚式を明日に控えているという。
果たして亜由美たちは殺人を止めることが出来るのだろうか!?(『紙細工の花嫁』)
表題作他、中編を1編収録。シリーズ第6弾。
久し振りに花嫁シリーズを読みました。
うーん、やっぱり痛快。
亜由美と殿永、聡子にドン・ファンのやり取りも楽しませてくれます。
今回は中編が2編で、どちらも読みごたえ抜群。
「めざめた花嫁」では本当に花嫁がめざめたって感じで、ちょっと不気味でもあり、謎が解明されるかドキドキでもあり。
人の想いと言うもの、人を愛するということ、それには色んな形があるんだなと改めて考えさせられるそんな一冊でした。
そこまで想える人に出会えると言うのは、幸せなんだよね。でも、間違った方向には行かないようにしなくちゃ。
恋愛って難しい。結婚って難しいんだろうな。
また他の作品も読みたいです。
「縁切り荘」の花嫁 (角川文庫)
【満足度】★★★☆☆
【あらすじ】
独身女性ばかりが住む<縁切り荘>。
ここに住む早智子が婚約した。
だが、その婚約者が不審な転落死を遂げ・・・
亜由美のライバルも登場し、縁切り荘の住民たちを巻き込んで事件が発生する。(「〈縁切り荘〉の花嫁」)
他、「花嫁と女神の微笑」を収録。
赤川次郎さんの
『花嫁は歌わない』
を読みました。
亜由美の親友の久恵が結婚を目前に突然自殺した。
久恵が最後に言い残した「彼が……ちゃんと離婚したらね」という言葉を頼りに自殺の真相を探りに乗り出す亜由美。
そんな亜由美のもとに殿永刑事がある殺人事件の話を持ってくる。(「花嫁は歌わない」)
表題作他、一編収録。花嫁シリーズ第三弾。
久しぶりに花嫁シリーズを拝読しました。
やっぱり亜由美は強かった。
あれだけ前向きで強気で行動力があるなんて本当に凄い。
溌剌とした亜由美の言動と共に話は進んで行き、亜由美の行動にスカッとしたり、ドキドキしたり。
でも、留置場に入った時は流石にヒヤリとしました。
今回は茂木という若い刑事とのやりとりも面白くて面白くて。
もちろん女好きのダックスフントのドン・ファンの活躍も可愛くて面白いです。
親友の聡子や母の清美、殿永刑事とのやり取りもイキイキとしていて楽しかったです。
複数の事件が絡み合った今回のお話。
最後に向かってそれぞれの糸が繋がっていく様は流石です。
もう一編の「花嫁に捧げる子守歌」では聡子がキーパーソンのような感じになっています。
今回も楽しく拝読させていただきました。
次回作も楽しみです。