【感想】
栞子の古書の知識が半端なくて、本当に凄いなと思いました。
黒髪美人で眼鏡っ子で本が好き・・・いやぁ、これは大輔でなくても惚れちゃうのではないでしょうか。
大輔も背が高くてがたいが良くて柔道も出来て顔つきがちょっとこわもてだけれど人柄が良いので、素敵な男性だと思うのですよ。
そんな感じで登場人物も魅力的で読み進めて行くのが楽しかったのです。
この本は短編集なのですが、一編一編がある一冊の古書にまつわる秘密を解き明かしていくという形で、その一冊についても知ることも出来るし、謎解きの楽しさもあるし、大輔と栞子のちょっとした恋愛模様のようなものも楽しめるし、一石二鳥ならず、一石三鳥とも言えるくらい、楽しめるお話です。
しかも、短編集という感じなのに実は最初から最後までが繋がっていて、短編集と思ってたら一冊の長編だったというような感じで、最後にしてやられた感があって、これまた面白かったです。
古い本には色んな物語が秘められているんですよね。
栞子が本のことになるところっと変わってしまうってのも、本当に本が好きなんだなって感じで、読んでいてこっちまで楽しくなってきちゃって。
大輔は大輔で本が読みたくても読めなくて。それを思うと、今こうして本を読めることが出来る自分はなんて幸せなんだと思うんですよ。
だからこそ、大輔が栞子と出会って、本の内容を聞かせてもらっているって言うのが、本当に良かったね、って感じで。
古書のことをよくご存じの方が居たら、謎解きももっと楽しめるのかもしれません。
私は残念ながら古書のことをあまり知らないので、栞子に言われてから気付くと言う感じで、もう栞子は本当に凄いなぁと感服しっぱなしです。
やっぱり本は良いなぁ。
まだまだ続編が出ているそうなので、その本に出会う日が今から楽しみです。
【発行日】2011.3.25.
【発行所】株式会社アスキー・メディアワークス
【登場人物】
篠川栞子:黒髪ロングで眼鏡の美人。普段は大人しくて内気な感じで人と接するのが苦手なのだが、一旦本の話となると人が変わったように饒舌になる。その古書の知識は凄まじいものがある。ビブリア古書堂の店主。凄く頭が切れて、わずかな情報から謎を解く。
五浦大輔:祖母の形見の夏目漱石「それから」の鑑定を栞子に依頼したことで、栞子と出会い、ビブリア古書堂で働くこととなり、そして「それから」にまつわる秘密を知ることとなる。本を読みたいのだが読めないと言う体質のため、栞子から本の話を聞かせてもらうことが楽しい。背が高くがたいが良くてこわもてで、柔道有段者である。
篠川文香:栞子の妹で、大輔が通っていた高校に通っている。明るい性格で隠し事が出来ない。
志田:ビブリア古書堂の常連。絶版文庫中心のせどり屋。ホームレス。50代後半で、坊主頭に大きな目をしている。小山清「落穂拾ひ・聖アンデルセン」が愛読書。
笠井菊哉:ネット上のせどり屋「笠井堂」店主。廃盤CDやゲームを扱っている。巻き毛の髪に切れ長の目、長身でモデルとみまごう20代後半の美男子。志田から「男爵」と呼ばれている。
小菅奈緒:大輔の母校に通うボーイッシュな女子高生。ショートカットで綺麗な顔立ち。「落穂拾ひ」がきっかけで、志田のことを先生と呼び交流している。
大庭葉蔵:栞子が所有している太宰治「晩年」初版本に異常なほど執着している。