FC2ブログ
最近読んだ本
本を読む人

蓮

Author:蓮
ミステリーやらエッセイやら何やかや、その都度気になった本を読んでいます。
最近はファンタジーもちょこちょこと。

月別読破数
リンク
RSSフィード
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
本・雑誌
682位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
和書
387位
アクセスランキングを見る>>


コメント
トラックバック
ブロとも申請フォーム

ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~ / 三上延



ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常

2011.10.25. / 株式会社アスキー・メディアワークス



ビブリア古書堂の店主・栞子が帰って来た。
大輔は栞子の元で働くことになった。
読書感想文に、同級生に、不思議な客…
今回もそれぞれの古書にまつわる謎が紐解かれる。

シリーズ第2弾。



相変わらずの栞子の知識量にはビックリさせられます。
今回は栞子と大輔、それぞれの過去に触れて行く話たちでした。

坂口三千代『クラクラ日記』(文藝春秋)
アントニィ・バージェス『時計じかけのオレンジ』(ハヤカワ文庫NV)
福田定一『名言随筆 サラリーマン』(六月社)
足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』(鶴書房)

これらの古書を通じて語られていく話たち。
読書感想文。親子や兄弟姉妹の関係。友人との関係。
優しくて切なくて、そして悲しくて。
なんとも言えない感じでした。
言葉で表現されるもの、見えるものが全てじゃないんですよね。
上手く伝えられないもの、違う観点から見たら全く逆の意味をもつものなども世の中にはいっぱいあるんですよね。
新しく登場した大輔の同級生も良いキャラしてますよ。もちろん、1巻に出て来たメンバーも健在です。
古書にまつわる話と並行して大輔と栞子たちの話も進展があって面白かったです。
次はどんな本に出会えるのか楽しみです。



わたしたちは書いたものを削除することはできる。しかし、書かなかったことにすることはできない


持っている本を見れば、持ち主の人となりはだいたい分かる


誰かのことを深く知ろうと思ったら、詮索めいたこともせざるを得ないんじゃないか。なにもせずにただ見守っていたら、今ある関係もなくなってしまうかもしれない。





スポンサーサイト



2016.08.23(Tue) | 【ま行】:三上 延 | cm(0) | tb(0) |

神の時空 ―嚴島の烈風― (かみのとき ―いつくしまのれっぷう―) / 高田崇史



神の時空 ―嚴島の烈風―

2015.11.4. / 株式会社講談社



広島にある「神の島」嚴島。
観音崎栞は、大学最後の夏休みに実家のある宮島に帰省した。
折しも、異常気象が宮島を襲い、殺人事件も起こる。
辻曲彩音は奴らの仕業だと踏んで、東京から駆けつける。

シリーズ第5弾。



宮島ですよ、宮島。
行ったことのある場所が出てくるとこうも受け取る感じが違うのかと思いました。
幾度となく訪れた嚴島なのに、本当に何も知らなかったんだなぁと改めて思いました。
この作品を通して、嚴島の神々の歴史を知ることが出来て良かったです。
今回知ったことを心に留めて、また宮島に行ってみたいです。
いつかお祭りも見れたら良いな。
今回も巳雨ちゃん大活躍。彩音たちもお疲れ様です。
まだまだ事件が続くようなので早く続きが読みたいです。



「嚴島神社を襲う台風などの災害を現代の『地震』に喩えれば、『耐震構造』ではなく『免震構造』になっている」(中略)こんなところにも、神や自然と共に暮らした先人たちの思いや知恵が残されている。


時間は有限、問題は無限なんじゃ


昔の鬼や天狗たちより、現代の我々の方が、何十倍も非道なことをしているのかも知れませんね。まさに、神をも畏れぬ不埒な行為を――





2016.08.21(Sun) | 【た行】:高田 崇史 | cm(0) | tb(0) |

夢の守り人 / 上橋菜穂子



夢の守り人

2000.6. / 株式会社 偕成社



人の存在する世界とは別の世界に咲く<花>。
この<花>は人の<夢>を必要としていた。
心に寂しさを抱える人たちが夢の世界に誘われていく。
タンダは大切な人を取り戻すため、別の世界に行くのだったが…

シリーズ第3弾。




もうね、タンダとバルサのやり取りが、痛々しくて…
タンダの優しさにつけこんだ<花>。
人は夢の世界では自分の願望を叶えようとするのね。
確かに現実は辛いけれども、それでも生きて居たら良いことある。
でも、私ももしも夢の世界に囚われてしまったら無事に帰ってこれるかは分からない。
だって、夢はなりたかった自分になれたりするものね。
心を強く持たないとね。
あの心優しきタンダの行動は凄かった。
でも、その後に起こったことは、本当に本当に辛くて。
なんか、そこまで人を想えるって本当に凄いと思う。
久し振りにチャグムも登場して、その成長を垣間見れて良かったよ。
続けざまに読んで行くと、前巻の記憶が残っているから分かり易いね。
この調子で続けて読んで行きたいな。



親の言葉は、あとになってしみじみ、その正しさがわかるものですね。


人はね、生きるのに理由を必要とする、ふしぎな生き物なんだよ。
鳥も獣も虫も、生きていることを思い悩みはしないのにね。


すぐに役だたないものが、むだなものとはかぎらない。むしろ、いつ役にたつかわからないものを追いつづけ、考えつづけるという、人の、このふしぎな衝動こそ、いつか新しいものをみつける力になるのだろう。


おれにはね、人がみんな、<好きな自分>の姿を心に大事にもっているような気がする。(中略)そして、どうしたらいいかわからないわかれ道にやってきたら、どっちに歩んでいくほうが<好きな自分>かを考えるんだ。





2016.08.21(Sun) | 【あ行】:上橋 菜穂子 | cm(0) | tb(0) |

君の膵臓をたべたい / 住野よる



君の膵臓をたべたい

2015.6.21. / 株式会社双葉社



「君の膵臓を食べたい」――ある日の放課後、僕はクラスメイトの山内桜良からそう告白された。
僕がある一冊の文庫本を見つけたところから、僕と彼女の不思議な関係が始まったんだ。

2016年本屋大賞第2位受賞作。



これが著者のデビュー作です。凄い。
もうタイトルからしてぶっ飛んでます。
気になって気になって気になって…ようやく読めました。
もうね、ラストに向かって涙が止まらないですよ。
途中でも読み返して、読み返して。
【僕】の視点から語られる彼女との話。
生きることの大切さ、前向きな思い、日常の有難さ、人としての強さ、そして弱さ。
僕と彼女の青春の1ページはそれはそれはとても濃いもので。
楽しいことばかりではないけれど、かけがえのない時間。
ハラハラしてドキドキして、切なくて悲しくて応援したくて。
こんな人間関係もあるんですよね。
ふたりの言葉の掛け合いも何とも言えず面白くて。
「生」と「死」を見つめて、それでも尚「日常」を生きていくことの大切さと難しさ。
何度でも読み返したくなる作品です。



君の膵臓を食べたい


大切なのは、人からの評価じゃなくて中身。


偶然じゃない。私達は、皆、自分で選んでここに来たの。(中略)君が今までしてきた選択と、私が今までしてきた選択が、私達を会わせたの。私達は、自分の意思で出会ったんだよ


きっと誰かと心を通わせること。そのものを指して、生きるって呼ぶんだよ


怖がらなくてもいいよ。何があっても、人と人はうまくやっていけるはずだからね。





2016.08.18(Thu) | 【さ行】:住野 よる | cm(0) | tb(0) |

獣の奏者 外伝 刹那 (けもののそうじゃ がいでん せつな) / 上橋菜穂子



獣の奏者 外伝 刹那

2010.9.3. / 株式会社 講談社



過酷な運命の元、自らの道を切り開いて生きた獣の奏者エリン。
本編では語られなかったエリンとイアルの話や、若かりし頃のエサル師の話が語られる。



遂に、シリーズ最終巻を読むことが出来た。
これも本当に良かった。
2巻と3巻の間に存在した空白の11年に、エリンとイアルの間に何があってジェシが生まれるに至ったかをイアルの視点で語られていた「刹那」。
エリンの大切な上司であるエサル師の若かりし頃の話をエサルの視点で語られた「秘め事」。
彼と彼女たちの息遣いが感じられるような一冊だった。
本編とはまた違った感じで感動した。
心に響いてくる言葉もいっぱい。
ああ、本当に良い物語に出会えたなぁ。
まだまだ続きが読みたい、そんな物語。



こんな人生だけど、あきらめてしまいたくない。……お願い、あきらめないで……!


この世に刹那でないものなんぞ、あるか?


ともに悩みながら、生きていけばいい。……幸せを感じることもあるだろう。生きてさえ、いれば。


持っていないものを嘆くより、持っているものを輝かせるべきだろう?


苦い経験というのは無駄にはならんものだ。あのとき失敗したおかげで、二度と同じ後悔をせんですむわけだからな


――雌雄が交わって実を結び、次代を育む花もあれば、自分が養分をしっかりと蓄えて根を伸ばし、その根から芽を伸ばして、また美しい花を咲かせる植物もあるものだ。





2016.08.16(Tue) | 【あ行】:上橋 菜穂子 | cm(0) | tb(0) |

西の魔女が死んだ / 梨木香歩



西の魔女が死んだ

平成13年8月1日 / 株式会社 新潮社



「西の魔女が死んだ」
――西の魔女である祖母の死の知らせを聞いて祖母の元へと向かう道中、中学生のまいは彼女との思い出を振り返る。
中学校に入学して早々に学校に行くことが出来なくなったまいを、温かく迎えて一緒に過ごしてくれた祖母。
彼女から教わったのは、魔女として生きていくことの知恵であった。

第44回小学館文学賞受賞、児童文学者協会新人賞受賞、新美南吉文学賞受賞。



多感な時期の女子特有のグループ問題・・・難しいんですよね。本当に。
もっと楽に過ごせないのかしら、って思ってしまう。
まいは自分なりの考えで対処したみたいだけれど、上手く行かなくて学校にも行けなくなって。
そんな難しい状態の孫を温かく迎えてくれた祖母。
祖母から教わる生活の知恵と、魔女としての心がけ。
そこには温かくて優しい時間が流れています。
でも、それだけじゃなくて、なんというか色々問題もあったりします。
祖母の元へと向かう道中に思い出されるのは、優しかったり悲しかったり色んな思いが混ざり合ったもの。
人の死というものはどうやっても逃げることの出来ないものです。
それをどうやって受け入れていくか、それもまたまいと祖母の話の中で提示されています。
少女が少しずつ成長していく、その過程を垣間見ることの出来る一冊です。



人の運命っていろんな伏線で織りなされていくものなんでしょうね


皆口には出さないけれど、それぞれの幸福があり、また不幸もあるのだろう。





2016.08.14(Sun) | 【な行】:梨木 香歩 | cm(0) | tb(0) |

闇の守り人 / 上橋菜穂子



闇の守り人

1999.2.1. / 株式会社 偕成社



女用心棒のバルサは、久しぶりに故国であるカンバル王国に戻った。
そこで育ての親のジグロに着せられた汚名を知ることとなる。
ジグロの汚名を晴らそうと奮闘するバルサ。
<山の王>とカンバル王の間でおよそ20年に一度行われる<ルイシャ贈りの儀式>に登場するヒョウル<闇の守り人>の正体は…

シリーズ第2弾。



前作、「精霊の守り人」に女用心棒として登場したバルサの話です。
私自身、前作を読んだのは10年以上も前のことでした。
最初は前作を中々思い出せずにもどかしい思いをしながら読んだのですが、次第に今作の話に惹き込まれて行きました。
前作と続けて読まれた方が、もっと楽しめると思います。
バルサを育ててくれたジグロ。バルサの辛い過去。前カンバル王の謀略。現在、企てられている恐ろしい陰謀。
ジグロの汚名を晴らすため奮闘するバルサと、ジグロの甥のカッサに姪のジナ。
<山の王>の隠された秘密が明らかにされる時、何とも言えない恐ろしさが伝わってきます。
それはヒョウル<闇の守り人>の正体を知った時もです。
過去から伝えられてきているものには、意味があるのです。
国を想う気持ち、大事な人を想う気持ち、それはとても尊いものなんですよね。
自己中心的な考えはいずれ身を滅ぼします。
誰かの為に動ける強さには憧れます。
ようやくシリーズ第2弾を読めたので、今度はまだ記憶が新しい内に続きを読みたいと思います。



もう一度、少年の日にもどって、人生をやりなおしていい、といわれても、きっと、おれは、おなじ道をたどるだろうってことだ


おれは、これしかえらべないっていう道を、えらんできたのさ。――だから、後悔はない。


わたしね、とにかく、まず、自分がみたり感じたりしたことから、判断したいの。





2016.08.06(Sat) | 【あ行】:上橋 菜穂子 | cm(0) | tb(0) |

僕は君を殺せない / 長谷川夕



僕は君を殺せない

2015.12.22. / 株式会社集英社


「おれ」はある夏、クラスメートの代わりに参加したミステリーツアーで恐ろしい体験をする。
「僕」の周りでは最近不幸が続いている。
…二人の少年の言葉で紡がれる物語は、意外なところで繋がって行く。
全てが明らかになった時、そこにはなんともおぞましい事実があった。



これは、本当に不思議な感覚で読み進めて行きました。
二人の少年の告白で紡がれて行って、それぞれが別の話かと思ったら、まさかそこで接点があるとは…という感じで。
また、この中で実行されている殺人事件が恐ろしい。
まさに猟奇的で、それなのになんだか寂しさが感じられて。
色々な事実が明らかになって行く中で、最初は恐ろしいばかりだったものに切なさが混じって来て。
人生、どこでどうなるか分からないんですね。
「Aさん」「春の遺書」という短編もそれぞれ怖かったり、切なかったりで。
本作は、著者が「亡霊」で2015年度ノベル大賞、準大賞受賞した作品を改題したデビュー作なんですけれど、衝撃的なデビュー作って感じでした。
読み終わった後に表紙を見ると、また切なさが増幅されました。
凄いなぁ。



いっそ薄情になりきれない人間の愚かさというやつです。客観的に考えれば正しい選択を誤らないはずが、感情という化け物が邪魔をして、混乱させるのです。


欲しいものを手に入れることが、人生のうちで一度くらいあっても、いいでしょう。


無条件で信じられる。会えてよかった。そんな存在がいることが、これほど有り難いとは思いませんでした。





2016.08.03(Wed) | 【は行】:長谷川 夕 | cm(0) | tb(0) |

獣の奏者 Ⅳ完結編 (けもののそうじゃ Ⅳかんけつへん) / 上橋菜穂子



獣の奏者 (4)完結編

2009.8.10. / 株式会社 講談社



愛する家族と平穏に暮らす未来の為に、王獣の訓練を行うこととしたエリン。
世界情勢が不安となって行く中で、遂にその時が訪れた。
古の惨劇の正体が分からぬまま、闘蛇と王獣が激突した時<災い>が訪れる。
物語はどのような結末を迎えるのか。

シリーズ第4弾。



遂にこの時がやって参りました。
長い旅路の果てに、明らかにされる古の惨劇。
愛する家族との平穏な未来の為に、死に物狂いで準備を進めるエリンとイアル。
ジェシもその幼心に深い悲しみを背負いながら己の道を進んで行きます。
王獣と通じ合える術を見つけた為に過酷な人生を歩むこととなったエリン。
最後に訪れた結末は、これまた涙なしには読めませんでした。
人間の業とは恐ろしいものです。
どうやったら平和な世の中が訪れるのでしょうか。分かり合えるのでしょうか。
ただただ、穏やかに愛する人たちと暮らしたいだけなのに。
自らの生を必死に生き抜いたエリンたちの姿を見ながら、私もまた自らの生を必死に生きようと思いました。
そして、愛する人たちとの時間を大切に生きようと。
歴史の闇に隠され続けていたものが明らかとなっていたなら、彼女たちの人生はまた違ったものとなったでしょう。
時代は移り変わりゆくもの。与えられていることと与えられていないこと、知らされていることと知らされていないこと、それは人の選択を大きく変えてしまいます。
彼女たちが辿り着いた、古の<災い>の正体。
それはとてつもなく恐ろしいものでした。
過去の教訓を伝え続けて行くことの重要さを痛感しました。
壮大な物語に惹き込まれ、心打たれた時間でした。
人生は短い。だけれど、そこで残せるものがきっと何かあるはずです。
私も、今の私に出来ることを続けながら何か遺せて行けたら嬉しいなと思います。
まだ、外伝が残っています。それを読むのがまた楽しみです。



人はとっても小さいから、一人で、すべてを見ることはできない。でも、人は言葉を持っているから、自分が見つけたことを人に伝えることができる


おれたちにとってなによりも大切なことは、おまえの健やかな未来だ。幸福な未来だ


利益が欲しいなら、そのための責任も負う。


人は、自分たちがなにをしていて、それがどんな結果を招くのか知るべきだと思う。どんな知識も、隠されるべきではないと思う。


自分たちが、なぜこんな災いを引き起こしたのか、人という生き物は、どういうふうに愚かなのか、どんなことを考え、どうしてこう動いてしまうのか、そういうことを考えて、考えて、考えぬいた果てにしか、ほんとうに意味のある道は、見えてこない……





2016.08.02(Tue) | 【あ行】:上橋 菜穂子 | cm(0) | tb(0) |

獣の奏者 Ⅲ探求編 (けもののそうじゃ Ⅲたんきゅうへん) / 上橋菜穂子



獣の奏者 (3)探求編

2009.8.10. / 株式会社 講談社



<降臨の野>での奇跡から11年後。
新たな生活を送っていたエリンは、<牙>の大量死の原因を究明するように呼び出される。
大公の側近ヨハルと共に真相を探る内に、エリンは隠されてきた歴史の真実に気付く。
母・ソヨンが亡くなる原因となったその秘密に気付いた時、エリンはどのように動くのか。

シリーズ第3弾。



<降臨の野>の奇跡は涙なしには見られない光景でしたが、今回もまた涙なしには読み進められませんでした。
あれから11年も経ち、新たな生活を営んでいたエリンの元に大公からの呼び出しがかかります。
自分の母を死に追いやった<牙>の大量死。
母が自分の命と引き換えにでも守った秘密を解き明かしていくのです。
幼い頃に焼き付いたあの凄惨な場面。
想像するだけでも恐ろしくて私なら乗り越えられなかったと思います。
様々な悲しみや苦しみを乗り越えてきたエリンには幸せになって欲しいのに、どうしてこうも苦難が降りかかり続けるのでしょうか。
それでも、彼女は自分の中の信念のもとに行動します。へこたれません。本当に強いです。
歴史の影に秘められてきた秘密は、それは恐ろしいものでした。
エリンがそれに辿り着いた時、また世界が動き始めます。
親が子を想う強さとはこうも凄いのかと、エリンの母・ソヨンのみならず、自らも母となったエリンの心情を追いながら尊敬せずには居られませんでした。
最後まで読むと、すぐにでも続きの「完結編」が読みたくなる、そんな物語でした。



わたしは、生まれてこなければよかったなんて、思わない。(中略)あなたは、自分の生に、後悔しかないの……?


小さな群れの貧しき平和。大きな群れの諍ひ多き豊かさ。


真に自由な者など、この世にいるだろうか?


どれほど多くの事情が絡み合っていたとしても、生き物の生をゆがめるのは、間違っている。


どこで生まれたとか、どんな生き物だとか、そんなことがすべて音の中に消え去り、聞いているものが皆、同じ音に心をふるわせる。





2016.08.02(Tue) | 【あ行】:上橋 菜穂子 | cm(0) | tb(0) |

χの悲劇 / 森博嗣



χの悲劇

2016.5.6. / 株式会社講談社



かつて真賀田研究所に勤めていたプログラマの島田文子。
彼女は今、香港で働いていた。
人工知能に関するエキシビションの初日に、ある男が彼女と接触する。
その後、動く密室の中で彼女は殺人事件に巻き込まれる。

Gシリーズ第10弾。



久しぶりのGシリーズ最新作です。
前作よりも更に時間が進んでいます。
初期の段階で真賀田研究所に居た島田文子の視点で話が進められていきます。
回想の中には懐かしい事件や、懐かしいメンバーが出てきたり。
χという不思議な人物が出てきたり。
リアルとバーチャルの世界で、一体どっちがその人物にとって生きる世界なんでしょうね。
バーチャルに長い時間身を置くと、そちらが本当の世界のような気がしてきます。
不思議なものですね。
生きるために何が大切か、何が自分の中で重要なのか、ふと考えるきっかけをもらった気がします。
彼女のように割り切れたら良いのにな。
香港で起きた殺人事件と、文子に依頼された仕事と、なんだか色々なものの色々な思惑が交錯してどうなって行くのだろうと思いながら読み進めていたら、最後に大きな爆弾がありました。
そういうことだったのか、と。
これはまさにGシリーズの転換期ですね。
後期三部作ということですので、残り二作がどのように進んで行くか、最新作が出るのを楽しみに待ちたいと思います。



そう。ここが私の世界だ


評価は別のところがする。そんなものに惑わされるな


技術者は賢明である


正しいか正しくないかよりも、不安か安心かが、生きる環境において切実な要因なのだ。





2016.08.02(Tue) | 【森博嗣】:Gシリーズ | cm(0) | tb(0) |

神の時空 ―三輪の山祇― (かみのとき ―みわのやまつみ―) / 高田崇史



神の時空 ―三輪の山祇―

2015.7.6. / 株式会社講談社



三輪山を御神体とする大神神社で禁忌を犯した高校生が殺害された。
一緒に禁忌を犯すこととなった田村暁は何とかしようと奔走する。
一方、貴船から帰ろうとしていた彩音たちは帰ることが出来なくなっていた。
大神神社周辺で起こっている異変を阻止する為に、奈良へと向かうのだが・・・

シリーズ第4弾。



御神体とされる三輪山の秘密とか、祀ることの意味とか、また色々複雑なことを教えてもらいました。
昔の人は本当に良く考えているんだなと思いました。
今回は奈良の高校生、田村暁くんだけでなく、涙川紗也ちゃんも出てきます。
火地さんの知識も凄いけれど、陽一くんの知識も負けず劣らず凄いなと思います。
歴史にまつわる色々なことを広く知っていて凄いなと思います。
でも、知っているだけじゃダメなんですよね。そこから色々考えないと。
そんな考え方をするのか、と今回も驚かされました。うーん、歴史は深い。
摩季ちゃんの復活までに残された時間も僅か。
これからどうなって行くのか、次巻以降も楽しみに読ませていただきたいと思います。



形として見ることがでいる愛情は、いくらでもある。だからといってきみは、形に顕れない愛情の存在を、否定するかね





2016.08.01(Mon) | 【た行】:高田 崇史 | cm(0) | tb(0) |