まごころを、君に THANATOS
2008.5.8. / 株式会社講談社
真夏にグッピーが凍死した事件をきっかけに友達になった立花美樹と柳瀬圭。
美樹は生物部を追い出された圭の為に仕返しを思いつく。
そして美樹が向かった文化祭で教室が爆発する事件が起こる。
無差別テロか、死神の仕業か!?
シリーズ第2弾。
今回も魚が絡んで来ます。
今回の主役はグッピー。
美樹が魚関連で豹変する様は、相変わらず鬼気迫るものがあります。
グッピーの美しさには、メンデルの法則が関係しているというのにはビックリしました。
真樹の新恋人とのラブラブっぷりもビックリ。
彼もやっぱり高校生なんですよね。
今回は、真樹の高校の自然科学部員が美樹と仲良くなっていくのを見るのも、美樹の年相応なところが見えて良かったです。
高槻の保護者っぷりも加速している感じで、これまた良いお兄さんという感じでほっこりするところもあります。
あくまで仕事なんですけれどね。でも、それだけじゃ割り切れない所も良いな。
さて、グッピー凍死事件で終わりかと思いきや、そうじゃないからこれまた面白い。
あれは単なる始まりに過ぎなかったんですよね。
美樹の魚蘊蓄は、読んでいて難しいところもありましたが、その愛の深さは本当に凄いと思いました。
結末は、ちょっと切なかったな。
やるせないって感じでした。ああ、難しい。
また続編を読むのが楽しみです。
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2018.01.18(Thu) | 【ま行】:汀 こるもの | cm(0) | tb(0) | ▲
不良坊主と見習い女子高生の霊感メソッド 祀町 オカルト事件簿
2015.5.11. / 株式会社KADOKAWA
霊の存在が当たり前になっている祀町に引っ越してきた女子高生の栞。
霊感が強い栞は、時給に魅かれてお寺での悪霊退治アルバイトを始める。
雇い主は、チャラそうな坊主の徹。
悪霊、生霊、地縛霊…栞のドタバタ悪霊退治が始まった。
初めて、著者さんの本を拝読しました。
主人公の栞だけでなく、除霊をする徹、住職の修一、霊視が出来る翔子、そして栞の相棒・クロと、どのキャラも個性的で魅力的でした。
オカルトだけれど、ゾッとしなくて、ちょっと物悲しくもあるし、優しさも感じられるお話です。
色々あって、引っ越しして転校してきた栞の日常がガラっと変わっていく様は、モノクロからカラーになるような転換期でした。
でも、オカルト方面なんですけれどね…
栞と他のキャラたちのやり取りがこれまた楽しい。
徹はなんだかんだ言って、優しいところもあるんですよ。
翔子も優しいし。修一は独特だし。クロは可愛いし。
悪霊にも色々あるんですよね。
続編が出たら是非とも読みたい作品です。
2018.01.15(Mon) | 【た行】:竹村 優希 | cm(0) | tb(0) | ▲
うちの執事が言うことには
平成26年3月25日 / 株式会社KADOKAWA
「僕が主人だ!」――名門・烏丸家27代当主となった花穎は18歳。
頼りにしていた老執事・鳳の代わりに、彼の執事となったのは衣更月という青年だった。
中々息の合わないふたりが織り成す上流階級ミステリー。
シリーズ第1弾。
弱冠18歳にして当主となった少年と、青年執事がどのように謎を解いていくのか気になって読んでみたら、なんと少年はただの少年ではなかったのです。
イギリスに留学していて、既に大学院を出ているというではないですか。
ただ、ちょっと世間知らずのところもあって、執事とのすれ違いもまた面白い。
そしてこの執事もただの執事じゃなくて、どうやら過去に色々あったみたい。
で、たまに登場する老執事の鳳のプロフェッショナルっぷりが凄い。
本当に、凄いなぁ、と感嘆します。
さて、この物語で紡がれるのは上流階級ならでは(?)のミステリー。
息が合わないながらも、ふたりで問題を解決していく様は、それぞれの成長を垣間見るようで楽しかったです。
これから、このふたりの絆がどのように深まって行くのか、それぞれがどう成長していくのか、楽しみです。
また、機会があったら続刊を読みたいと思います。
2018.01.12(Fri) | 【た行】:高里 椎奈 | cm(0) | tb(0) | ▲
藍のエチュード
2014.6.25. / 中央公論新社
東京藝術大学剣道部。
芸術家の卵たちが剣道を通してそれぞれの青春を不器用に駆け抜けていく物語。
芸術と武芸の不思議な関係。
また、美術学部と音楽学部でそれぞれの芸術の道を志す若者たちが剣道部という部活を通して関わって行く魅力。
彼らの不器用なまでに、もどかしい生き方にはなんとも歯がゆい思いをしながら読みました。
人は恋をしたらこんなにも変わって行くのか、と。
どうしてもうちょっと上手く立ち回れなかったのか、と。
すれ違いも、行き違いも、かなりもやもやしながら読み進めて行きました。
そこには、芸術家を目指すものだからこそある悩みもあります。
芸術と武術を通して成長していく彼らを見守りながら読み進めて行った感じです。
ひとつのことにこうも打ち込めるのかと、羨ましくもありました。
こんな青春もあるのですね。